引き戸のガラスはDIYでも交換可能?必要な道具や手順を確認

ガラス交換はプロに頼むと高額な費用がかかるイメージがありますよね。
そこで、できるだけ費用を抑えたいと考えているのであれば、DIYでの交換を検討してみてはいかがでしょうか?
ただ「何となく難しそう」「あれこれ道具も必要になるのでは?」と考えている方もいるはず。
そこで、ここではDIYで引き戸のガラスを交換するにあたり、押さえておきたいポイントを紹介します。
必要な道具や手順なども詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
引き戸のガラスはDIYで交換できる?
引き戸のガラスにひびが入ったり割れてしまったりした場合は、放置すると危険ですよね。
早急に修理を検討したいところです。
専門業者に依頼する方法もありますが、実はDIYで交換することも可能です。
DIYといっても、そこまで専門的な知識が必要になるわけではないので、これまでDIYの経験がない方でも挑戦できますよ!
業者に依頼するよりも費用を抑えたい方、自分の空き時間で挑戦してみたい方にはDIYでのガラス交換がぴったりです。
一度やり方を覚えてしまえば、また引き戸のガラスにひびが入ったときに自分で交換できるようになるので、コストを抑えて修理できるようになります。
注意点として、すべての引き戸がDIYで交換できるわけではありません。
基本的に、木枠のガラス戸であれば交換ができます。本記事では木枠のガラス戸のDIY交換について解説していきます!
引き戸の種類
まず確認しておきたいのが、引き戸の種類です。引き戸とは、一戸建てやマンションなどで幅広く使用される、左右にスライドして開閉する戸のことです。
一口に引き戸といってもいくつか種類があり、それぞれ構造や設置方法が異なる点に注意が必要です。
DIYでガラス交換を検討している方は、引き戸のタイプによって分解方法や作業の難しさは変わるので、事前に把握しておくことが大切。
ここでは、代表的な引き戸の種類と、特徴をまとめたのでチェックしてみてくださいね。
種類 |
特徴 |
メリット |
デメリット |
木製引き戸 |
木材を使った引き戸で、和風・洋風問わず多くの住宅で使用されている |
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障子引き戸 |
木材に和紙を張り付けた伝統的なタイプの引き戸。主に和室に使用される。 |
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ガラス引き戸 |
引き戸のフレーム部分に透明または曇りガラスをはめたタイプ。 |
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アルミサッシ引き戸 |
アルミフレームにガラスを組み合わせた引き戸。 |
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ガラスの引き戸は屋外でも使いやすいほか、採光性が高く光が入りやすいなどのメリットがあり、多く利用されています。
引き戸のガラスの種類と価格
引き戸で使用されるガラスには、いくつかの種類があります。
ここでは、代表的な引き戸に使われるガラスの種類と、費用相場(90cm×90cmの場合)について紹介します。
種類 |
特徴 |
費用相場/厚さ |
フロートガラス |
無色透明で視界を遮らない透明ガラス。屋内戸のほか、屋外でも視線が気にならない場所に使用される。割れやすい特徴を持っていることから、慎重な取り扱いが必要。 |
13,000円/3mm |
型板ガラス |
表面に凹凸模様があるタイプのガラス。光は通すものの、凹凸模様の効果によって視線を遮ることが可能。ぼんやりと映るので、トイレや浴槽の引き戸でよく使用されている種類。 |
10,000円/4mm |
すりガラス |
表面がざらざらしていて半透明なのが特徴。視線をしっかり遮ることができ、加工の仕方によってはさまざまなデザインのガラスを作り出せる。 |
15,000円/3mm |
網入り透明ガラス |
ガラスの中に網(ワイヤー)が入っていて、割れても飛散しにくい。防火性に優れる種類。ただし、防犯性は期待できない。 |
30,000円/6.8mm |
ペアガラス |
2枚のガラス板を合わせて作ったガラス。断熱・防音効果が高く、玄関や外部分引き戸によく使用される。耐衝撃性はないことから防犯性は低い |
20,000~70,000円/3mm+3mm |
強化ガラス |
通常のガラスと比較して大幅に強度を高めたガラス。一般的な板ガラスを熱処理することによって強化している。強度は高いものの、割れた際は飛散するのが特徴。 |
20,000円/5mm |
防犯ガラス |
2枚のガラス板を合わせ、その間に衝撃に強い特殊な中間膜を使用し作るガラス。防犯効果が非常に高く、空き巣被害の多い住宅街などで特に選ばれている。 |
20,000~30,000円/3mm+中間膜0.8mm+3mm |
このように、選択するガラスによって特徴や費用相場が大きく変わってきます。
なお、上記で紹介している費用相場は90cm×90cmのガラス一枚あたりの費用です。
複数枚購入する場合は別途費用がかかるほか、90cm×180cmの場合は1.5~2倍程度の費用がかかります。
また、今回はDIYで引き戸のガラスを交換する方法について紹介していきますが、仮に専門業者に依頼した場合、ガラス本体の費用に加えて施工費用、出張費用がかかるので確認しておきたいですね。
ガラスとアクリルの違い
ガラスと似たような素材に、アクリルがあります。
どちらも引き戸の素材として一般的です。 ただ、見た目が似ているものの、その性質は大きく異なります。
目的や使用環境に合った素材を選ぶためにも、それぞれの特徴や注意すべきポイントについて押さえておきたいですよね。
種類 |
ガラス |
アクリル |
メリット |
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デメリット |
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割れやすさ |
・衝撃に弱く、割れた破片は鋭利になることがある |
・割れにくく、割れても破片が飛びにくい |
加工性 |
・カット・穴あけには専用工具が必要 |
・ノコギリなどで簡単に切断・加工可能 |
価格帯 |
・やや高め |
・ガラスよりもやや高め |
使用に適した場所 |
・室内扉、浴室扉、外部引き戸など |
・ケガのリスクが低く、子ども部屋にも選択しやすい |
透明度の高さを重視したいのであればガラスが適していますが、小さなお子様がいてガラスが割れるとケガをするリスクがある場合は、アクリルの方が適していることもあります。
どちらもメリット・デメリットが異なるので適した方を選択することが重要です。
コダマガラスでは、国産アクリル樹脂製品「アクリエース」を取り扱っており、チェッカークリア、チェッカーガラス色、モールクリア、モールガラス色など、特徴の異なる製品をご用意しています。
また、「ワーロン樹脂ガラス(梨地)」も別商品として取り扱っており、軽量で割れにくく、安全性に優れた素材としてご好評をいただいています。
用途に応じてぜひご検討ください。
引き戸のガラス交換を行う際に必要な道具
DIYで引き戸のガラス交換を行う際には、以下の道具を準備しておかなければなりません。
ホームセンターや100円ショップでそろえることが出来ますよ!
必要なもの |
用途・注意点 |
手袋・軍手 |
作業をする際にガラスや木片の角で手を切らないようにするために、保護するための手袋。滑り止めがついているものがおすすめ。ゴム手袋などでは安全性を確保できないので注意が必要。 |
ゴーグル |
ガラスを切断する際などに目を保護するためのもの。 |
新しいガラス |
交換用の新しいガラス。購入する際はサイズを間違えないように注意。 |
ガラスカッター |
ガラスを切断する際に使用する道具。一般的なカッターなどでは切れず、無理に切ろうとすると危険。ガラスがぴったりサイズでない場合は準備が必要。 |
定規 |
ガラスを切断する際に使用。ガラスのサイズに合ったものを準備。 |
プラスドライバー・マイナスドライバー |
戸の枠を外したり、ビスを閉めたりするのに使用。枠の構造によって必要な種類が異なるのでどちらも用意しておくのがおすすめ。 |
掃除用具 |
ガラスを交換する際に出る小さなゴミや、割れたガラスを交換する場合に安全に片付けるための道具が必要。細かく割れた破片はマスキングテープやガムテープで貼り付けて取り除く。 |
こちらは最低限必要な道具です。 安全性を高めるためには、可能であればガラス吸盤フックも用意しておくとよいですね。
重いガラスを吸着し、安全に持ち上げて運ぶための道具です。
なお、コダマガラスではご希望のサイズでガラスを注文できるため、ご自身でのガラスカットは不要です。あらかじめサイズが合った状態で届くため、作業の手間を大幅に軽減でき、より安全に交換作業が行えます。
引き戸のガラスをDIYで交換する場合の手順
引き戸のガラスをDIYで交換する際は、先に全体の手順を確認しておくのがおすすめです!
特に重視したいのは、安全対策と丁寧な作業、正確な採寸。 それぞれの手順と注意点について解説していきます。
なお、ここで解説するのは、木枠のガラス戸(引き戸)の交換についてです。
その他の種類に関しては DIY では対応が難しいこともあるので、専門業者への依頼も検討してみてくださいね。
ステップ①引き戸を外す
まずは、現在設置されている引き戸をレールから取り外していきます。特に難しいことはなく、基本的な取り外し方は、下部を持ち上げて押し込み、手前に傾けて外す構造です。
特に、古い家屋の場合は固定などがされていないケースが多いので、この方法で取り外せる可能性が高いといえます。
ただ、外れ止めと呼ばれるものがついているものもあります。少し手間ではありますが、こちらのタイプは木枠の上部にあるネジをドライバーでゆるめてから外さなければなりません。
それから、木枠の下部部分も確認してみて、ここにサッシの隙間を埋める目的で気圧ピースと呼ばれる部品がついている場合はこちらも外しておきます。
これらを取り外すことでガラス戸が外れますよ。重い場合は無理をせず、2人で作業するのがおすすめです。 安全性を重視してくださいね!
ステップ②木枠からガラスを外す
続いて木枠からガラスを取り外していく作業です。ネジなどで固定されている場合は、ドライバーを使ってネジをゆるめてから木枠を外します。
ネジがない場合は、上辺の枠部分を外すことで取り外しが可能です。割れないように慎重に行うことが求められます。
ステップ③ガラスを採寸する
取り外したガラスを採寸します。縦と横の寸法、厚さの確認が必要です。
あらかじめガラスを購入しておく場合は、ガラスを手配する前に採寸を行っておかなければなりません。
特に厚さについては実際に取り外してみなければわからないこともあります。
うっかり適当に購入して失敗してしまったということがないように注意したいですね。
ステップ④ガラスを適切な大きさに切断する
採寸したサイズに合わせてガラスを切断します。ガラスカッターと定規を使ってまっすぐ切断する作業です。
ガラスカッターは、一般的なカッターのように完全に切断するためのものではなく、ガラスに傷を付けて折るためのものです。力を入れすぎると割れてしまう可能性があるので、力加減には注意したいですね。
まっすぐ一本の線を引くように、途中で止めることなくしっかり傷を付けてから折ります。ケガをしないようにと軍手とゴーグルの装着を忘れないようにしてくださいね。
コダマガラスではオーダーサイズにてご注文いただけるため、お客様ご自身でカットする必要はありません。安全・確実に、プロが仕上げた綺麗なガラスをお届けします。
ステップ⑤ガラスをはめ込む
切断したガラスをはめ込んでいきます。
ネジで固定してあった場合は、ネジの取り付けも忘れないようにしてください。
ステップ⑥引き戸をもとの位置に戻す
外したときと逆の手順で元の位置に戻していきます。
下部をレールに戻し、上部をしっかりはめ込み元の位置にセットしてください。
実際に引き戸を動かしてみてガタつきや異音がなければ完了です! 取り外したガラスは新聞紙に包み、自治体の指示に従って処分してくださいね。
引き戸のガラスをDIYで交換した事例
ここでは、株式会社コダマガラスにガラスをご注文いただいた事例の中から、引き戸のガラス交換をDIYで行った事例について一部ピックアップしてご紹介します。
(https://kodama-glass.co.jp/kgpress/archives/32777/)
割れたガラス引き戸を交換した事例です。
(https://kodama-glass.co.jp/kgpress/archives/32777/)
割れた本棚の引き戸を交換した事例です。
引き戸のガラス交換は手順を守ればDIY初心者でも行えます。
正しい手順と必要な道具、安全対策について確認した上で実践してみてくださいね。
引き戸のガラスが割れた場合の応急処置
引き戸のガラス交換をDIYで検討する理由として「割れてしまったから」という方もいるのではないでしょうか。
割れたままのガラスを放置すると危険が伴います。
ここでは、それぞれのケースに応じた対処法と、注意すべきポイントについて紹介します。
破片が飛び散っているとき
破片が飛び散っている場合は、その破片の片付け作業から優先して行わないと危険です。
小さな子どもやペットを近づけないようにしてから作業に取りかかるとよいですね。
ガラスの破片でケガをしてしまう可能性があるので、掃除を始める前に軍手や厚手の手袋を装着しておきます。
次に、大きめのガラスを慎重に回収していく作業です。拾ったガラスの破片のうち、大きいものは新聞紙や段ボールの上に集めていきます。
大きすぎるガラスについては、処分が難しいのでハンマーなどで砕いておくとよいですね。ただ、このときもケガをしないように気をつけてください。
次に、ほうきとちりとりで小さな破片を集めます。粘着テープを活用するのもおすすめです。
ほうきで取り除けないようなさらに細かい破片は、濡れた雑巾やキッチンペーパーで拭き取れます。
なお、掃除機を使うとガラスが故障の原因になることもあるので、使うのはおすすめしません。
思っている以上に広範囲までガラスが飛散している可能性があるので、2~3メートル程度を目安に丁寧に確認しておくことが大切です。
ひびが入っているとき
まだひびが入っている段階で完全に割れていないのであれば、ガラスが割れないように応急処置することになります。
ガムテープや養生テープを用意して、ひびのある部分を覆うような形で固定してください。
なお、紙製よりも布製のテープを使用した方が水に強いので、はがれにくくなりますよ。
内側だけではなく、外側も行うことでさらにはがれにくくなるので、どちらも行うのがおすすめ。
また、ガラス用のテープは透明で目立たないので、新規に購入する場合はガラス用の補強テープを購入してみてはいかがでしょうか。
またはガラス用のコーキング材を使用する方法もあります。
補強テープよりも目立ちにくいので、広範囲にわたってひびが入っている場合などはコーキング剤を用意するのがおすすめです。
あくまで応急処置なので、早い段階でガラスの交換を行ってくださいね。
大きな穴が開いているとき
ガラスに大きな穴が開いてしまったような場合は、段ボールを使ってふさいでいきます。
用意する段ボールは、空いている穴が完全に隠れる程度の大きめのものであることが重要。
段ボールを固定する前に穴が開いている周辺のひびをガムテープなどで覆っておくのがポイントです。
反対側も同じように段ボールでふさいでおく必要があります。
隙間から風が入ると割れが広がりやすくなるので、風が入らないようにしっかりとガムテープなどで段ボールの周辺を覆うことが求められます。
注意点として、段ボールを固定する際に圧力をかけないようにしてください。
割れが広がってしまう恐れがあります。
こちらもあくまで応急処置なので、できるだけ早く交換を検討してみてくださいね。
DIYでも引き戸のガラス交換はできる
今回は、DIYで行う引き戸のガラス交換について紹介しました。 何となく「プロでなければできなさそう」「難しそう」と感じていた方でも、自分でもできるかもしれないと思っていただけたのではないでしょうか。
特に木枠のガラス戸についてはシンプルな構造となっているので、DIY初心者の方でも挑戦しやすいといえます。
交換用のガラスを探している方は、株式会社コダマガラスまでご相談ください。ガラスのお見積もりは無料です。
ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。