真空ガラスとは?一般的な寿命と導入するメリット・デメリット

「真空ガラスとはどのようなガラス?」「具体的な特徴を教えてほしい」などと考えていませんか。名称を聞いても、詳細まではわかりませんよね。
真空ガラスは、2枚のガラスの間に真空層を設けた複層ガラスです。断熱性、遮音性に優れるなどの特徴を備えています。
ここでは、真空ガラスの概要を解説するとともに、真空ガラスを設置するメリット、デメリットなどを紹介しています。以下の情報を参考にすれば、基本的な特徴を把握できるはずです。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
真空ガラス(薄型断熱ガラス)とは
2枚のガラスの間に真空層を設けた複層ガラスです。複層ガラスは、次の条件を満たすガラスを指します。
【条件】
- 複数枚のガラスで1つの製品を構成している
- ガラスの間に空間を設けている
真空ガラスは、マイクロスペーサーと呼ばれる小さな柱と保護キャップと呼ばれる樹脂製の栓で真空層を保持します。
おもな特徴は、熱の伝導と対流を真空層で防ぐことと既存の窓枠に使用できる薄さを兼ね備えていることです。外気の影響を受けにくいため、結露が発生しにくい特徴も備えていますよ。
“真空”とはどのような状態のこと?
基本的には、空気がない状態を意味します。ただし、空間から空気の分子を完全に排除することは困難です。工業的には、圧力が極めて低い状態(負圧)も真空といいます。
真空状態は、さまざまな用途に用いられています。一例としてあげられるのが魔法瓶です。魔法瓶は、外側から外瓶・真空層・内瓶で構成されます。真空層には空気がないため、熱の伝導と熱の対流を防げます。したがって、長時間にわたり、温かいものを温かいまま、冷たいものを冷たいまま保てるのです。
魔法瓶の構造と真空ガラスの構造はよく似ていますよね。魔法瓶の仕組みをご理解いただくと、真空ガラスの断熱性能もご理解いただけると思います。
真空ガラス以外にもある!二重ガラスの種類
真空ガラスは、複層ガラスのひとつです。2枚のガラスを使用したものを二重ガラスと呼ぶこともあります。複層ガラスは、真空ガラスと真空ガラス以外(一般的な複層ガラス)にわかれます。これらのおもな違いは以下のとおりです。
真空ガラスと複層ガラスの違い
ガラスとガラスの間に空間(=中空層)を設ける基本的な構造は同じです。ただし、その中身は大きく異なります。真空ガラスの中空層は真空です。対して一般的な複層ガラスは、乾燥空気、アルゴンガス、クリプトンガスなどを封入しています。
ガスなどを封入している複層ガラスは、真空ガラスに比べてガラスが厚くなってしまいます。既存のサッシに取り付けられないことがあるため注意が必要です。
両者を比較すると、断熱性にも違いがあります。真空ガラスは、一般的な複層ガラスよりも高断熱です。その性能は、一般的なガラスの4倍程度、一般的な複層ガラスの2倍程度と考えられています。
また、真空ガラスは耐風圧性にも優れています。高層階への設置も検討できます。一般的な複層ガラスは、耐風圧性が低いため、高層階の設置に向いていません。
出典:真空ガラススペーシア®「真空ガラス「スペーシア」とは」
真空ガラスのメリット
真空ガラスを導入するおもなメリットは以下のとおりです。
メリット①結露を防止できる
高い確率で結露を防止できます。真空層が熱の移動を防いでくれるためです。
結露は、水蒸気を多く含む暖かい空気が冷やされると発生します。外気の影響を受けやすい窓の周辺で発生するのはこのためです。窓ガラスを真空ガラスに変更すると、外気の影響を受けにくくなります。
したがって、結露が発生しにくくなるのです。以下に、ガラスの種類別に結露が発生する温度の目安を紹介します。
種類 | 温度 |
1枚ガラス | 9℃ |
複層ガラス | 0℃ |
真空ガラス | -26℃ |
出典:真空ガラススペーシア®「真空ガラス「スペーシア」とは」
一般的な住環境であれば、結露は発生しないといえそうですね。ちなみに、結露はダニやカビの原因になる恐れがあります。これらのトラブルを防げる点も、導入するメリットですよね。
メリット②断熱性能が高い
夏でも涼しい住環境、冬でも暖かい住環境を実現しやすくなります。真空層が、窓を通した熱の出入りを減らしてくれるためです。
熱の伝わり方は、伝導、対流、放射の3つにわかれます。真空ガラスは、これらのうち伝導と対流を防ぎます(さらに、特殊な金属膜で放射を抑えるものもあります)。その断熱性能は、1枚ガラスの4倍程度です。
ちなみに、窓から流出、流入する熱の割合は次のとおりです。
条件 | 割合 |
暖房時の熱が窓などの開口部から流出する割合 | 58% |
冷房時に窓などの開口部から熱が流入する割合 | 73% |
出典:一般社団法人日本建材・住宅設備産業界「開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?」
窓の交換は、効果的な断熱対策といえそうですね!
メリット③遮音効果が期待できる
真空ガラスには、高い遮音効果も期待できます。真空層に音の振動を伝える媒体が存在しないためです。
また、一般的な複層ガラスで発生しやすい共鳴現象も起こりにくいと考えられています。共鳴現象は、特定の周波数領域で遮音性能が大きく低下する現象です。音は、空気と個体から伝わります。真空ガラスは、空気を伝わる音を軽減したいときに有効です。
具体例として、近くを走行する自動車の音、隣家から聞こえるピアノの音などがあげられます。
遮音性能にこだわりたい場合は、目的に合ったサッシを選ぶことも大切ですよ!
メリット④簡単に導入できる
真空ガラスの厚みは、1枚ガラスと大きく変わりません。中空層が非常に薄い(0.2mm程度)ためです。したがって、現在使用しているサッシをそのまま使える可能性があります。
比較されることが多い一般的な複層ガラスの中空層は6mm程度です。1枚ガラスより厚いため、取り付け時にアタッチメントの利用やサッシの交換を求められます。
手軽に導入できる点も真空ガラスの魅力です。
メリット⑤省エネにつながる
室温の変化を抑えて、省エネにも貢献します。省エネにつながる理由は、冷暖房で室温を大きく上げる、下げる必要がなくなるためです。冷暖房の消費電力量は、室温を維持するときよりも、室温を設定温度に上げるとき、下げるときに大きくなります。
室温と設定温度の差が大きくなるほど消費電力量が増える点もポイントです。1枚ガラスから真空ガラスに交換すると、冷暖房にかかるコストを、約4割、削減できる可能性があります。家計のランニングコストを抑えられる点も真空ガラスの魅力です。
真空ガラスのデメリット
真空ガラスには、注意したいデメリットもあります。おもなデメリットは以下のとおりです。
デメリット①ほかのガラスよりも重い
2枚のガラスを使用しているため、一般的な1枚ガラスより重量があります。厚みはほとんど同じでも、重量の影響で同じサッシを使用できないことが考えられます。この場合は、原則としてサッシの交換が必要です。
また、重量の影響で、窓が開けにくくなったと感じることもあります。交換前に、対応しているサッシや使用感を確かめておくことが大切です。
デメリット②導入費用がかかる
一般的な1枚ガラスや複層ガラスに比べて、導入費用の相場は割高です。
具体的な費用はケースで異なりますが、交換に10万円以上かかることもあります。ただし、真空ガラスに交換すると、冷暖房費を抑えられる可能性があります。この点も踏まえてコストパフォーマンスを評価することが大切です。
導入費用は、相見積もりを取ったり、補助金を活用したり(補助金の有無は確認が必要です)すると抑えられる可能性がありますよ!
デメリット③サッシの結露対策は難しい
真空ガラスには、結露の防止を期待できます。ただし、サッシの結露は防げません。窓を交換した後も、サッシの結露で悩まされる恐れがあります。この部分の結露を防ぎたい場合は、既存のサッシを使用できる場合であっても原則として交換が必要です。
具体的には、熱を伝えにくい樹脂サッシへの交換などが考えられます。あるいは、断熱シートなどのグッズで結露を防いでいる方もいますよ。
真空ガラスの寿命
真空ガラスの寿命は、真空層を維持できる期間です。劣化しにくい材料を使用しているため、20年を超えて使用できるケースが少なくありません。真空層に問題が生じなければ、半永久的に使用できます。原則として、一般的な複層ガラスより長寿命です。デメリットで導入費用が高いと述べましたが、コストパフォーマンスを考えるとそうとはいいきれない面もありますよね。
真空ガラスは機能性に優れるガラス
ここでは、真空ガラスについて解説しました。簡単に説明すると、2枚のガラスの間に真空層を設けたガラスです。この特徴により、優れた断熱性能、遮音性能、省エネ性能などを備えます。ダニやカビの原因になる結露ができにくい点も魅力です。
他のガラスに比べて初期費用は割高ですが、機能性を考えると導入を検討する価値はありますよ!
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