型板ガラスのメリット・デメリットと2つの種類の特徴について

ガラスのオーダーを検討されている方に向けて、型板ガラスの特徴について解説します。
視線を遮るガラスを検討している方は、『不透明なガラスにしようか』と考えることがあるかもしれません。
しかし実際に、それぞれのガラスにどのような特徴があるのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回の記事では、なじみのある国内メーカーの型板ガラスのメリット・デメリットと種類ごとの特徴について解説します。
用途に適したガラスを選ぶ際に、ぜひこの記事を参考にしてください!
型板ガラスとは?
「型板ガラス」とは、表面に模様をつけて不透明度を高めたガラスのことです。
ガラスの表面に「ロールアウト法」によって模様をつけます。
【加工法の特徴】
- ロールアウト法:溶けたガラスにロールで模様をつけながら冷却して固める
以上のように加工が施されるため、凹凸のついたガラスとして成形されます。
ただし、模様がつけられるのはガラスの片面のみです。
そのため模様のついていない面はツルツルとしており、不透明ながらも無加工のガラスと変わらない手触りとなります。
型板ガラスのメリット
それでは型板ガラスにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
主な3つのメリットについて見ていきましょう。
メリット1:視線を遮りながら、適度に光を取り入れられる
まずは視線を遮りながら、適度に光を取り入れられることについてです。
型板ガラスの模様は不透明度を作り出し、外からの視線を遮るのに役立ちます。
しかしカーテンのように、ガラス全面を覆ってしまうものではありません。
ぼんやりとした柔らかな光を取り入れられます。
そのためたとえば、外からの日光を取り入れながらもプライバシーは守りたいときに便利です。
視線を遮れること、適度に光を取り入れられることの2点が大きな魅力ですよね!
メリット2:外側からの汚れがあまり目立たない
外側からの汚れが目立ちにくいのもメリットのひとつです。
一般的なガラスでは透明であるため、雨水がついた跡や指紋が目立ってしまいます。
しかし型板ガラスは片面が模様で半透明になっているので、汚れが目立ちにくいことが特徴。
実際に汚れが溜まっていても、きれいなガラスに見える点が特徴です。
汚れが目立ちにくい特性を利用すれば、視線を遮りやすい特徴ともあわせてさまざまな用途が考えられます。
たとえば収納物を見せたくないとき食器棚や収納棚の扉に用いるガラスとしても適しています。
汚れが目立ちにくいので、さまざまなところに利用できるメリットがあります。
メリット3:すりガラスよりも掃除がしやすい
型板ガラスのメリットとして、掃除がしやすいこともあげられます。
同じく透明ではないガラスである「すりガラス」は、全面に細かな傷がついていて掃除がしにくいタイプのガラスです。
「すりガラス」は傷の間に汚れが溜まって、拭いただけでは汚れが取れないことも珍しくありません。
しかし型板ガラスは凹凸はあるものの、傷ではなく大きな凹凸なので掃除がしやすくなります。
そのため指紋や汚れがついたとしても拭き取りやすいのがメリット!
また、汚れが溜まりにくく、掃除が簡単であることもメリットのひとつだと言えます。
掃除がしやすい不透明ガラスを取り入れたい場合は、型板ガラスが用途に適しているでしょう。
型板ガラスのデメリット
型板ガラスにはメリットがある一方で、デメリットも存在します。
そこで型板ガラスをオーダーすべきか判断する前に、デメリットについても知っておいてくださいね。
デメリット1:室内から外が見えない
まずは室内から外が見えないというデメリットがあります。
一般的な透明ガラスであれば、室内から外を眺められるはずです。
しかし型板ガラスは模様があるため不透明で、外からの視線を遮れる反面、室内から外を眺められません。
室内から外の景色を楽しみたい場合には、このデメリットが際立つことがあります。
室内から外を眺める必要のない場面で取り入れると効果的です。
デメリット2:透明なガラスと比較すると少々暗い印象になる
一般的なガラスと比較して、室内が暗い印象になることもデメリットのひとつです。
型板ガラスは外からの直射日光を和らげる効果があります。
反対に言えば、明るい日差しが室内に差し込みにくくなる仕組みです。
直射日光を遮って、柔らかな光がほしい場合には良いですよね。
室内への採光を重視する場合には、室内が暗く感じられる可能性があります。
デメリット3:厚みのバリエーションが少ない
型板ガラス(霞)の厚みは、4mm、6mm。
すりガラスの厚みは、2mm、4mm、5mm、6mm、8mm、10mm、12mm、15mm、
19mm。
型板ガラスとすりガラスを比較すると、すりガラスは厚みのバリエーションが豊富です。
そのため、幅広いシーンですりガラスはお使いいただけます。
型板ガラスの種類
これから国内メーカーで製造されている型板ガラスをオーダーするなら、2つの種類についても知っておきたいものです。
種類によって光の透過性や視線を遮る効果も変わってくるので、それぞれの特徴について把握しておいてください。
※国内メーカー以外にも輸入型板ガラスもございます。
輸入型板ガラスであれば、さまざまな種類とデザインから選ぶことができます
種類1:霞(かすみ)
「霞」は一般的なガラスのうえに特殊加工を施したガラスのことです。
表面に粗い凹凸が少量あり、光をやわらかく室内全体に採り入れることができます。
凹凸が粗いため、手触りは比較的ツルツルとしています。
次に解説する『梨地』に比べて厚みがあり、視線を遮る効果は低いと考えられます。
しかしその分透明度が高く、室内が明るく感じられるはずですよ!
種類2:梨地(なしじ)
「梨地」は先にご紹介した「霞」に比べて、凹凸が細かいのが特徴です。
細かな凹凸が多くあるため表面がザラザラとしており、視線を遮る効果が高いガラスです。
霞よりもガラス自体の厚みが薄く、扉や間仕切りとして利用されることが多いのが梨地です。
光の拡散力は高いものの、凹凸が多いため光が柔らかくなり、室内が暗く見える可能性があります。
ただし現在型板ガラスの梨地は廃盤となりましたので、樹脂ガラスの梨地をおすすめしております。
型板ガラス(霞)の価格相場
型板ガラス(霞)をオーダーする際の価格相場は、「15,000~20,000円」が目安です。
もちろん業者によっても違いますし、ガラスのサイズによっても変わります。
大きなガラスほど価格は高くなります。
目安としては90cm四方であれば10,000~15,000円と考えてください!
コダマガラスの価格事例
コダマガラスでは、90cm×90cm(厚み4mm)の型板ガラス霞を約10,000円でご提供させていただいております。(2025年1月現在)
コダマガラスはお求めいただきやすい価格で、高品質なガラス製品を提供しています。また、お客様のご希望に合わせたサイズや加工にも柔軟に対応しており、用途や設置場所に最適なガラスをご提案しています。
詳細な見積もりや注文については、ぜひお問い合わせください。
型板ガラスをオーダーするなら特徴を知ってから
この記事を通じて、型板ガラスの特徴をご理解いただけたのではないでしょうか。
型板ガラスにはメリットもあるもののデメリットもあります。
また2つの種類があるので、用途によってどちらが適切であるか見極めることも大切です。
コダマガラスではオーダーガラス板を専門に取り扱っており、さまざまなご相談にも応じております。
用途に適したガラス選びでお悩みの方や、型板ガラスの導入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。