窓ガラスの種類や選び方を解説!防犯・目隠し・断熱におすすめのガラスを紹介
「ガラス窓にはどんなガラスがおすすめ?」
「目隠しできる窓ガラスはある?」
「防犯対策したいけど、どのガラスがいい?」
一般的に「窓ガラス」と言っても、その種類はさまざまです。
しかし、それぞれのガラスの特徴や見分け方について、難しく感じる方も少なくありません。
- ・窓の大きさ
- ・用途
- ・開口部の位置
- ・期待できる効果
これらによって、使用場所やシーンに適したガラスがあります。
この記事では、どのような窓に適したガラスがあるのか解説していきます。
窓に使うガラスを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
窓ガラスの種類がひと目でわかる!おすすめガラス一覧表
ガラスの種類 | 特徴 |
---|---|
フロートガラス |
・安価で使いやすい ・スタンダードな透明ガラス ・厚みの種類が豊富 |
強化フロートガラス |
・ケガのリスクが少ない ・強度が高い ・耐熱性がある |
型板ガラス「霞」 |
・お手入れしやすい ・安価で使いやすい ・目隠し効果あり |
IPS-961:樹脂ガラス梨地 |
・樹脂板 ・割れにくい ・反りにくい |
すりガラス |
・光をやわらかく通す ・厚みの種類が豊富 ・汚れが落ちにくい |
フロストガラス |
・汚れが落ちやすい ・厚みの種類が豊富 ・目隠し効果あり |
熱線吸収ガラス |
・装飾用としても使える ・4色から選べる ・まぶしさを和らげる |
高性能熱線反射ガラス |
・ビル、店舗、施設向け ・日射反射性能が高い ・省エネが期待できる |
デザインガラス |
・装飾性が高い ・目隠し効果あり ・多彩な模様から選べる |
網入りガラス |
・防火設備として使える ・熱割れしても脱落しにくい ・飛散防止性能 |
防火ガラス(パイロクリア) |
・防火設備として使える ・衝撃に強い ・視線を遮らない |
合わせガラス |
・安全性が高い ・防犯、防音、抗菌機能など ・加工を含めたオーダーが可能 |
複層ガラス |
・断熱性が高い ・冷暖房費の軽減が期待できる ・一般住宅向け |
薄型断熱ガラス(真空ガラス) |
・断熱性が高い ・冷暖房費の軽減が期待できる ・薄型で使いやすい |
フロートガラス(普通透明ガラス)は安価で一般的!飛散防止フィルムを貼付することも多い
フロートガラスとは?
フロートガラスは、一般的な普通透明ガラスです。
安価で扱いやすく、さまざまな用途に使える定番品として知られています。
古くからある建物の窓ガラスには、フロートガラスが使われていることが多いです。
なお近年の一般住宅の窓には、複層ガラスを使用するのが定番です。
フロートガラスは厚みの種類が2,3,4,5,6,8,10,12,15,19mmと豊富です。
主な用途としては以下のとおりです。
他にも、店舗やオフィスの入口扉・室内の間仕切り窓などで使われます。
安全性を高めるため、透明の飛散防止フィルムを貼ることもあります。
フロートガラスはこんな方におすすめ!
- ・一般的な透明ガラスを探している
- ・安価なガラスを探している
- ・幅広い厚みの中から選びたい
強化フロートガラスは安全性の高いガラス!割れた時のケガを防ぐ目的で使われる
強化フロートガラスとは?
強化フロートガラスは、熱処理により強度を持たせたガラスです。
割れた時に粉々になるため、破片で大怪我をするリスクが低いことで知られます。
強度はあるものの、防犯性には期待できません。
これは、一箇所の損傷でガラス全体が粒状に割れてしまうためです。
防犯性能を重視したい場合は、合わせガラスがおすすめです。
窓ガラスとしては、学校や商業施設など、人の多い場所で使われます。
万が一割れた際、大きな破片が落ちにくく、二次被害の防止につながるためです。
ほかに、浴室や洗面室の間仕切り窓などにも使われることが多いです。
強化フロートガラスはこんな方におすすめ!
- ・強度の高いガラスを探している
- ・人が多い場所で使うガラスを探している
- ・破損時のリスクを軽減するガラスを探している
型板ガラス「霞(かすみ)」は凹凸のある不透明なガラス!メンテナンス性の高さが特徴
型板ガラス「霞」とは?
型板ガラス「霞(かすみ)」は、お手入れしやすい不透明なガラスです。
国内メーカーで製造されています。
片面に凹凸があり、光を採り入れながらも目隠し効果が期待できます。
不透明ガラスといえば霞ガラスです。
窓ガラスとしては、一般住宅やオフィス、工場などで使われます。
他の用途では、勝手口の扉のガラスなどがあります。
不透明ガラスの中では、安価で使いやすい特徴があります。
メンテナンス性も高く、既製の窓・ドアのガラスで使われることも多いです。
霞ガラスの厚みの種類は、4mm/6mmの2種類のみです。
そのため、大きな開口部に1枚で使うには難しいシーンもあります。
型板ガラス「霞(かすみ)」はこんな方におすすめ!
- ・安い不透明ガラスを探している
- ・目隠しできるガラスを探している
- ・掃除しやすいガラスを探している
樹脂ガラス「梨地(なしじ)」はレトロな樹脂板!型板ガラス「梨地」の代替品として使える
樹脂ガラス「梨地」とは?
樹脂ガラス「梨地(なしじ)」は、ガラスより割れにくい不透明の樹脂板です。
片面の凹凸が光を屈折させながら通すので、目隠し効果が期待できます。
樹脂ガラス「梨地」は、すでに廃番となった型板ガラス「梨地」の代替品として使われています。
型板ガラス「梨地」は、現在は製造されておらず、新しく手に入れることは困難です。
樹脂ガラス「梨地」の主な用途としては、和室の障子ガラス、室内の引き違い戸のガラスなどです。
厚さは2mmながら割れにくく、飛散もしにくいので室内でも使いやすいです。
レトロ感あふれる梨地ガラスを探されている方におすすめです。
IPS-961:樹脂ガラス梨地(なしじ)はこんな方におすすめ!
- ・型板ガラス梨地の代替品を探している
- ・昭和レトロなガラスを探している
- ・薄くて割れにくいガラスを探している
すりガラスは光の拡散性が高い不透明ガラス!プライバシー性の高さが魅力のガラス
すりガラスとは?
すりガラスは、光の拡散性の高い不透明ガラスです。
フロートガラスに砂を吹き付けて細かな傷をつけ、不透明にしています。
目隠し効果の高いガラスとしても知られています。
窓ガラスとしても使えますが、汚れがつきやすく落ちにくい特徴があります。
そのため、出入口付近や人の手がよく触れる場所には不向きです。
すりガラスの厚みの種類は2,3,5mmがあります。
厚み2mmのすりガラスは、和室の障子ガラスや家具の扉ガラスによく使われます。
すりガラスは、他の不透明ガラスと比較して、光の拡散性が高いです。
このため照明器具のカバーガラスとして使われることも多くあります。
他に、トイレの明り取り窓や、食器棚・家具の扉ガラスにも使われます。
すりガラスはこんな方におすすめ!
- ・不透明ガラスを探している
- ・柔らかく光を通すガラスを探している
- ・照明カバーにガラスを使いたい
フロストガラスは汚れのつきにくい不透明ガラス!はめ殺し窓にもよく使われるガラス
フロストガラスとは?
フロストガラスは、すりガラスの表面を薬品でなめらかにした不透明ガラスです。
すりガラスと比較して汚れがつきにくく、落ちやすい特徴があります。
型板ガラスなどと比較して、デザイン性が高い特徴があります。
厚みの種類も3,4,5,6,8,10,12mmと豊富です。
出入口付近の窓や、店舗・オフィスのはめ殺し窓、間仕切りにも使われます。
不透明かつ、大きなサイズの窓ガラスを検討されている場合は、フロストガラスがおすすめです。
フロストガラスはこんな方におすすめ!
- ・不透明ガラスを探している
- ・幅広い厚みからガラスを選びたい
- ・掃除しやすい不透明ガラスを探している
熱線吸収ガラスはカラーバリエーションが豊富!目隠し効果が期待できるガラス
熱線吸収ガラスとは?
熱線吸収ガラスは、赤外線や紫外線を吸収する効果のあるガラスです。
色の種類としては、ダークグレー・グレー・ブロンズ・グリーンがあります。
国内では古くから製造され、外窓のガラスとしてよく使われていました。
近年は複層ガラスなどの機能性ガラスの普及で、窓ガラスとして使われることは少なくなっています。
現在は装飾用として、家具の扉ガラスなどに多く使われます。
防眩性や目隠し効果もあるため、プライバシー性を高めたい窓にも使われます。
熱線吸収ガラスはこんな方におすすめ!
- ・色付きガラスを探している
- ・ガラスで直射日光を和らげたい
- ・目隠しできる窓ガラスを探している
高性能熱線反射ガラスは省エネガラス!オフィスビルの外装窓で使われることが多い
高性能熱線反射ガラスとは?
高性能熱線反射ガラスは、日射反射性能が高いガラスです。
窓際の温度上昇を抑え、空調設備費用の軽減につながります。
また外部から見えにくい特徴があり、プライバシー性にも優れています。
主にオフィスビルや店舗・公共施設などの外窓のガラスで使われます。
一般住宅の窓ガラスで使われることはあまりありません。
一般住宅で省エネ効果を期待する場合は、複層ガラスがおすすめです。
高性能熱線反射ガラスはこんな方におすすめ!
- ・複層ガラスでないものを使いたい
- ・プライバシーを重視したい
- ・省エネ効果に期待したい
デザインガラスは輸入ガラス!装飾性が高く目隠し効果もある
デザインガラスとは?
デザインガラスは、装飾性の高い輸入ガラスです。
デザイン性が高く、厚みは3~4mmのものが多くあります。
さまざまなテクスチャーや表面の凹凸で光を拡散し、目隠し効果が期待できます。
複層ガラスにすることで、デザイン性を保ったまま断熱・省エネ効果に期待できます。
また合わせガラスに加工すれば、吹き抜けや階段といった安全性が必要な場所でも使用できます。
ガラスを含めた空間コーディネートを行う場合には、デザインガラスがおすすめです。
デザインガラスはこんな方におすすめ!
- ・普段目にしないガラスを使いたい
- ・インテリアとしてガラスを使いたい
- ・目隠し効果のあるガラスを探している
網入りガラスはワイヤー入りの防火ガラス!飛散防止を求められる場所でも使われる
網入りガラスとは?
網入りガラスは、ガラス内部に金網(ワイヤー)を入れた防火ガラスです。
防火性能が高く、防火設備として認定されています。
ガラスの種類として、透明(磨き)と不透明(型板)があります。
また網の種類として、ひし形・十字クロスの2種類があります。
建築基準法で定められている窓には、網入りガラス、もしくは防火ガラス(パイロクリア)の設置が義務付けられています。
なお現在、線入りガラスは防火設備としては認められていません。
基本的には防火設備として、外部サッシの窓ガラスに使われます。
他に機械の覗き窓など、飛散防止性能を求められる場所にも採用されます。
網入りガラスはこんな方におすすめ!
- ・防火設備としての窓ガラスを探している
- ・飛散防止できるガラスを探している
防火ガラス(パイロクリア)は視線を遮らない防火ガラス!耐熱性が高く四方枠が必要になる
防火ガラス(パイロクリア)とは?
防火ガラス(パイロクリア)は、防火設備として使用されるガラスです。
パイロクリアは商品名であり、日本板硝子株式会社が製造しています。
網入りガラスと比較するとクリアで、視線をさえぎらない特徴があります。
パイロクリアの周囲にはアルミテープが巻かれています。
そのため、ガラス1枚に対して四方枠が必要です。
網入りガラスと同様に、外窓サッシのガラスとしてよく使用されます。
また耐熱性が高く、飲食店の厨房周辺の窓ガラスとしても使われます。
防火ガラス(パイロクリア)はこんな方におすすめ!
- ・防火設備としての窓ガラスを探している
- ・視線を遮らない防火ガラスを探している
- ・耐熱性の高いガラスを探している
合わせガラスは飛散防止性能や耐久性の高いガラス!とにかく安全性を求める場合におすすめ
合わせガラスとは?
合わせガラスは、飛散防止性能・耐久性に優れたガラスです。
ガラスとガラスの間に中間膜を挟むことで、高い強度を持たせています。
さまざまな機能性ガラスの中でも安全性が高いガラスです。
中間膜の厚み次第で、防犯性能・防音性能に特化した機能をつけることもできます。
合わせガラスには、バットを振り抜いても割れないほどの強度があります。
そのため、万が一割れた際、破片が脱落する危険のある場所に使われます。
用途としては天窓(トップライト)、階段、吹き抜けの手すりガラスなどです。
防災・防犯をはじめ、安全性の高さを求める場合は合わせガラスがおすすめです。
合わせガラスはこんな方におすすめ!
- ・耐久性の高いガラスを探している
- ・防犯、防音などに特化したガラスを使いたい
- ・安全性を重視してガラスを探している
複層ガラスは断熱性の高いガラス!一般住宅の窓で省エネしたい時におすすめ
複層ガラスとは?
複層ガラスは、ガラスとガラスの間に空気層を持たせ、断熱性を高めたガラスです。
Low-eガラス(内側に特殊な金属膜を設けたもの)と組み合わせた複層ガラスもあります。
いずれも高い断熱性・遮熱性があるのが特徴です。
主な用途として、一般住宅の外部に面する窓ガラスとして使用されます。
断熱効果による省エネや結露防止効果を期待する場合は、複層ガラスがおすすめです。
複層ガラスはこんな方におすすめ!
- ・一般住宅向けの窓ガラスを探している
- ・断熱効果重視でガラスを探している
- ・窓ガラスでも省エネしたい
薄型断熱ガラスは断熱効果をより高めたガラス!アルミサッシのガラス交換にも最適
薄型断熱ガラスとは?
薄型断熱ガラス(真空ガラス)は、ガラスとガラスの間に真空層を持たせ、断熱性を高めたガラスです。
「クリアFit」や「スペーシア」といった名前で、日本板硝子株式会社から販売されています。
複層ガラスと比較して、真空層が厚さ0.2mmと薄くなっています。
このため、すでに単板ガラスの入ったアルミサッシのガラス交換にも使えます。
薄型断熱ガラスはこんな方におすすめ!
- ・断熱性の高い窓ガラスを探している
- ・薄くて機能性の高いガラスを探している
- ・単板ガラスと交換できる断熱ガラスを探している