強化ガラスと耐熱ガラスの特徴とそれぞれの適した用途について

ガラスをオーダーしたいと考えている方に向けて、強度の強いガラスの特徴と違いについて解説します。
一般的なガラスより強いガラスとして「強化ガラス」と「耐熱ガラス」がありますが、違いについてご存知でしょうか?
どれが一番安全なのか、熱湯を入れても大丈夫なのか、高温でも割れないのかとお悩みではないでしょうか。
そこで今回の記事では、強化ガラスと耐熱ガラスの特徴や違い、適した用途についてご紹介しますね!
参考にしていただければ、目的にあうガラスはどちらなのか判断していただけるようになるはずです。
強化ガラスとは?
まずはそれぞれの違いについて見ていきましょう。
強化ガラスの特徴
まず強化ガラスとは、温度変化や衝撃に強いガラスのことを指します。
【特徴】
- 通常のガラスの約3~5倍の強度を持つ
- 衝撃・圧力がかかっても割れにくい
- 割れた際にも粒の形に砕けるため安全性が高い
- 温度変化に耐えやすい
強化ガラスは通常のガラスの約3~5倍もの強度を持ち、衝撃や圧力がかかっても割れにくいことが最大の特徴です。
強化ガラスの製造方法
製造方法には2種類あります。
【製造方法】
- 熱処理強化:熱を加えた後に急冷して強度を高める
- 化学強化:化学薬品を表面に浸透させて強度を高める
衝撃への耐性を持つガラスは熱処理もしくは化学的な方法でガラスを強化することによって製造されます。
化学強化は熱処理強化よりも強度が高く、より実用に耐えられる力を持つガラスです。
耐熱ガラスとは?
続いては耐熱ガラスについてご紹介します。
耐熱ガラスの特徴
耐熱ガラスとは、温度変化に強い性質を持つガラスのことです。
また高温の環境下でも変形したり割れたりしにくいため、中にはオーブンや電子レンジで使用できる製品もありますよ!
【特徴】
- 急激な温度変化に対して耐性を持つ
- 電子レンジ・オーブンで使用できるものもある
耐熱ガラスは、温度変化に非常に強いことが最大の特徴です。
電子レンジやオーブンで使用できることも、ガラス製品としては大きな魅力ですよね。
耐熱ガラスの製造方法
温度変化への耐性を持つガラスを製造する際には、二酸化ケイ素を基にします。
そしてホウ素酸を添加すると、耐熱性のあるガラスが作られる仕組みです。
二酸化ケイ素にホウ素酸を混合して高温で処理をして、冷却すると温度変化への耐性を持つガラスとなります。
温度変化への耐性を持つガラスの中には衝撃への耐性を持つガラスの性質を備えたものもありますが、その場合は熱処理が必要です。
熱処理により耐圧性をもたせることで、熱と圧力に強いガラスが作られます。
強化ガラスと耐熱ガラスの違い
衝撃への耐性を持つガラスと温度変化への耐性を持つガラスは、どちらも「一般的なガラスよりも強い」という性質を持つことが共通点です。
しかし基本的な性質は異なります。
強化ガラス | 耐熱ガラス | |
強度 | ◯ | × |
耐熱性 | △ | ◯ |
安全性 | ◯ | × |
それではそれぞれの違いについて詳しく見ていきましょう!
強度
強度に関しては衝撃への耐性を持つ強化ガラスのほうが優れています。
強化ガラスはもともと「衝撃に強い」ことが最大の特徴です。
衝撃への耐久力をもたせるために、口部強化や全面物理強化などの加工が行われています。
温度変化への耐性を持つガラスの中でも強度を高めた製品は見受けられます。
しかしやはり基本的な性能を見ると、衝撃への耐性を持つガラスのほうが強度に優れていると言えますね。
耐熱性
耐熱性に優れているのは温度変化への耐性を持つ耐熱ガラスです。
しかし比較すると、耐熱ガラスのほうが温度変化に対して強い性質を持っています。
中には電子レンジやオーブンでの使用に耐えられるものもあります。
耐熱性を重視してガラスを選ぶなら、温度変化への耐性を持つガラスを選んでください。
安全性
安全性においては衝撃への耐性を持つ強化ガラスのほうが優れていると言えます。
耐熱ガラスは温度変化に強いものの、強化ガラスに比べて物理的な耐久性は高くありません。
割れた際には大きな破片となるため、強化ガラスが割れた場合と比較して怪我のリスクが高くなる可能性があります。
衝撃への耐性を持つガラスは物理的な衝撃に強いため高い安全性を誇ります。
温度変化よりも衝撃に強いガラスを求める場合は、衝撃への耐性を持つガラスのほうがおすすめですよ。
強化ガラスの使用に適した用途
それではどのようなシーンで利用すべきか、適した用途についてご紹介します。
【使用に適したシーン】
- 焼き場との間仕切りとして利用するとき
- 耐熱性と強度の両方が求められるとき
- 住宅の窓ガラスに強度を持たせたいとき
- 食器やフランパンの蓋に使用するとき
- 学校の窓ガラスとして使用するとき
- テーブルを保護するためにガラスを取り入れたいとき
- 小売店の販売棚やショーウィンドウで使用するとき
- 実験や水槽にガラスを使用したいとき
安全性が求められる場面で、強化ガラスがよく利用されます。
また、高温にもある程度耐えられるため、焼き場など熱源が近い場所の間仕切りとしても使用可能です。
耐熱ガラスの使用に適した用途
続いては耐熱ガラスの使用に適した用途についてご紹介します。
【使用に適したシーン】
- 火が直接当たるところでガラスを設置するとき
- 急激な温度変化があると思われるとき
- 飲食店の間仕切りとして使用するとき
- 防災装置としてガラスを使用したいとき
- 電子レンジやオーブン使用可の食器を作るとき
温度変化への耐性を持つガラスは直火にも耐えられるだけの耐熱性を持つため、高温になりやすいところに使うのが基本です。
防災装置や飲食店の間仕切りなど、高温になっても割れない安全性を確保する目的で使用されます。
強化ガラスと耐熱ガラスの選択は用途を考えて
この記事を読んでいただくことで、強化ガラスと耐熱ガラスについてご理解いただけたと思います。
どちらも「一般的なガラスよりも強い性質」を持ちますが、基本的な特徴は違います。
用途を考えて、どちらを選ぶべきか判断してくださいね!
コダマガラスはガラスのプロフェッショナルが用途に応じたガラスをご提案するオーダーガラス専門店です。
どのガラスを選べば良いかお悩みの場合は、ぜひコダマガラスまでご相談ください。